
民謡教室「駒康会」を主宰するのは、美波駒康さん。ジャズドラマーとしての経験を積み、その後、日本で民謡と出会い深い感銘を受けました。以来、太鼓をはじめ三味線、唄、尺八、鼓、踊りと幅広く研鑽を重ね、民謡の魅力を後世に伝える活動を続けている。現在は杉並区や板橋区で教室を開き、老若男女が集う場をつくっている。
今の仕事を始めたきっかけを教えてください。
私はもともとジャズ一筋で、民謡には縁がありませんでした。結婚後、妻に誘われて民謡教室を訪れた時、日本文化の深さに大きな衝撃を受けたのです。その場で太鼓を任され、未経験ながらも先生を紹介いただき修行を重ねました。気がつけば三味線や唄など様々な分野に広がり、民謡が私の人生の大切な一部となりました。

会社設立までの経緯を教えてください。
35歳頃から本格的に太鼓を習い始め、長年修練を積む中で「自分の教室を持ちたい」という思いが自然と芽生えました。妻と数人の仲間と共に小さく始めた駒康会は、次第に弟子が集まり、現在は約30人が在籍しています。長い社会人生活や経営者としての経験も生かし、組織の運営や人とのつながりを大切にしてきました。名取として受け継いだ「駒康」の名を掲げ、日本の伝統文化を広めています。
会社の特徴を教えてください。
駒康会の特徴は、民謡に関わるあらゆる要素を幅広く学べる点です。唄、三味線、踊り、尺八、太鼓と多彩な稽古を用意し、それぞれを専門の弟子や自らが指導しています。さらに月謝は一律3,000円。唄でも三味線でも、どれを選んでも同じ料金で学べるのは大きな魅力です。気軽に伝統文化に親しんでほしいという思いから、休んだ月の月謝はいただかないようにもしています。
民謡を通じて人と出会い、世代を超えた交流が生まれることが何よりの喜び

お仕事で大切にしていることを教えてください。
「楽しむこと」を一番に大切にしています。民謡は競争ではなく、仲間と共に楽しみながら学ぶ文化です。人と人との関わりを重視し、誰でも安心して来られる場を心がけています。また、民謡は各地の暮らしを映し出す生活の歌です。生徒さんにも、その背景を理解しながら歌うことで、日本文化の豊かさを感じてもらえるよう伝えています。
この仕事のどんなところが好きですか?
民謡を通じて、人と出会い、世代を超えた交流が生まれることが何よりの喜びです。小学生から高齢の方まで一緒に太鼓を打ち、唄を響かせるとき、心が一つになる感覚があります。大会や発表会で生徒たちが成果を披露し、笑顔があふれる瞬間には大きなやりがいを感じます。自らも指揮者のように鼓を打ち、舞台で仲間と響き合えることが私の幸せです。
今後やりたいこと等、展望を教えてください。
これからも、民謡を楽しむ場を広げていきたいと考えています。若い世代が少しずつ関心を寄せてくれるようになり、小中学校や地域施設からの依頼演奏も増えてきました。大会や地域の舞台にも積極的に参加し、日本文化の魅力を次世代につないでいきたいです。自分自身も生涯現役を目指し、100歳まで元気に太鼓を打ち続けたいと思っています。

成功哲学を教えてください。
私にとっての成功哲学は「命は付録」という考え方です。過去に飛行機事故や川での事故から奇跡的に助かった経験があり、今こうして生きていること自体が何よりの宝だと感じています。だからこそ、一日一日を大切にし、好きなことを楽しみ、仲間と分かち合う人生を送りたいのです。恐れず挑戦し、楽しく生きることが私の哲学です。
インタビュー後記
美波駒康さんのお話を伺い、波乱万丈の人生と、それを笑顔で語られる姿に強く心を打たれました。ジャズから民謡へ、異なる音楽を経てたどり着いた「日本の心」を伝える活動には、唯一無二の魅力があります。教室に集う方々が楽しそうに稽古を重ねている光景が目に浮かびました。生涯現役を目指す姿勢が、世代を超えて多くの人に勇気を与えてくれると感じます。
お問い合わせ
民謡教室 駒康会
杉並区清水3-28-15 / 東武東上線下赤塚駅 徒歩5分
出張稽古も応相談
TEL:090-3909-2951
公式ホームページ
*お問い合わせの際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。