まちの仕事人インタビュー
ヨーデルで笑顔を届ける舞台人生
有限会社桜企画 代表取締役 北川 桜 (きたがわ さくら) さん インタビュー

有限会社桜企画代表取締役を務める北川桜さん。東京都杉並区出身。国立音楽大学声楽科卒業後、オペラやミュージカル、劇団四季などで舞台経験を積む。新宿のホフブロイハウス東京店でのステージをきっかけにヨーデルの魅力に惹かれ、ドイツ・スイスなどで研鑽を重ねる。1994年にグループ「北川桜とエーデルワイスムジカンテン」を結成、全国各地のイベントや学校公演、テーマパーク等で活動している。

今の仕事を始めたきっかけを教えてください。

国立音楽大学を卒業後、オペラやミュージカルなどで活動しておりましたが、新宿のホフブロイハウス東京店でレギュラー歌手を務めたことが転機となりました。ビアホールでお客様を盛り上げる中でヨーデル歌手のステージに出会い、その歌声が会場の空気を一変させる様子に衝撃を受けました。「この歌で人を笑顔にしたい」と思い、海外でのレッスンや現地の舞台体験を重ね、本格的にヨーデルの道を歩み始めました。

会社設立までの経緯を教えてください。

個人事業主として全国から依頼を受けるようになり、活動の幅が広がる中で、税理士から「法人化した方が良い」と3年間にわたり勧められました。自身は当初法人化に積極的ではなかったものの、契約や経理の面での利便性を考慮し、1998年に有限会社桜企画を設立。会社は家族とともに運営し、演奏活動は個々のプロ演奏家と契約する形で行っています。

音楽を通じてすべての人がつながれる場を目指しています。

会社の特徴を教えてください。

活動の中心は「北川桜とエーデルワイスムジカンテン」という民族音楽グループです。ドイツ・スイス・オーストリアの伝統音楽を基盤にしながら、バルーンアートやハンドベル、パレード演奏など多彩なプログラムを提供しています。企業パーティー、地域のオクトーバーフェスト、学校公演、テーマパーク、お船のイベントなど、幅広い場で演奏を行い、2名から最大8名まで編成を組んで会場に合わせたステージを展開しています。

お仕事で大切にしていることを教えてください。

ステージでは「誰一人取り残さない」ことを大切にしています。盛り上がる人とそうでない人の間に温度差が生まれないよう、会場全体を細やかに見渡しながら、お客様一人ひとりが安心して楽しめる空間をつくります。また、共演者やスタッフが気持ちよく動けるよう配慮し、音楽を通じてすべての人がつながれる場を目指しています。


この仕事のどんなところが好きですか?

自分の歌やパフォーマンスでお客様の表情が明るく変わる瞬間が一番の喜びです。「元気になった」「来てよかった」と言っていただけることは、何よりの励みになります。幼い頃から病気で運動が制限されていた私にとって、音楽は人生の楽しみであり、自己表現の大切な手段でした。今もその気持ちは変わらず、毎回のステージが特別な一日です。

今後やりたいこと等、展望を教えてください。

コロナ禍ではリアル公演の代わりにオンラインコンサートやVRなど新しい形式にも挑戦しました。今後はそうした経験も活かし、新たな会場や企画とのつながりを広げていきたいと考えています。過去には韓国で数年間にわたり招かれた経験もあり、将来的にはドバイなど海外でのコンサートも視野に入れています。

また、国内市場の縮小や無料公演の増加といった現状を踏まえ、大手が参入しにくいニッチな市場、例えば地方の人口が少ない地域などをターゲットとした活動にも力を入れたいです。文化庁の補助金を活用し、外国語の同時翻訳字幕や手話の遠隔表示が可能なタブレットシステムの開発にも取り組んでいるので、社会貢献性のある活動として大切にしたいです。

インタビュー後記

北川さんとお話ししてまず感じたのは、その底抜けの明るさとエネルギーです。ご自身のことを「普通」と笑いますが、長年の研鑽と人を楽しませたいという強い想いが、そのステージにあふれています。ヨーデルという珍しいジャンルを軸に、お客様を巻き込み、必ず笑顔にしてしまう。その姿は、人と人をつなぐ架け橋のようでした。海外にも目を向ける視野の広さと、新しい技術を取り入れる柔軟さを併せ持つ北川さん。これからの活動にも、大きな期待を抱かずにはいられません。

お問い合わせ

有限会社 桜企画

代表取締役  北川桜

〒166-0015 東京都杉並区成田東1-34-13

Tel:03-3315-1581

Mail:sakurakikaku1@gmail.com

HP:https://kitagawa-sakura.biz/

*お問い合わせの際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。