まちの仕事人インタビュー
半径3キロの誠実な仕事
塗替え丸福 株式会社 代表 原田 稔 () さん インタビュー

立ち上げのきっかけ、創業の経緯を教えてください

二十歳そこそこでこの業界に入り、現場・管理・営業と歩み続けて四十年近くになります。

2005年に前職の同僚と大田区・蒲田にて外壁塗装専門店を立ち上げました。

2013年に販路拡大のため分社化し、品川・西中延にて塗替え丸福株式会社を設立しました。

屋号の「丸福」には、塗替えリフォームの仕事を通して地域に幸せの輪を広げていきたい――そんな思いが込められています。

創業当初は「何でもやる・どこにでも行く」というスタイルで営業していましたが、移動コストや現場管理の負担を見直し、事務所から半径3キロに商圏を絞り地域密着へ方針転換をいたしました。

遠くへ広げるより、近くで確実に――それが会社のリズムを整え、お客様との信頼を深める転機になりました。


どのような特徴がある会社ですか?

一番の特徴は、お客様から直接ご依頼をいただき、自社の職人が責任を持って施工することです。

塗装業界ではハウスメーカーや工務店、大手リフォーム会社経由の下請けが主流ですが、私たちは直販を基本にし、外装リフォームの主役として現場に入ります。

足場や大工、板金、外構、電気など専門職が必要な場面では信頼する協力会社と連携しますが、品質管理はすべて当社が担います。職人は全員が社員で、顔の見えるチームだからこそ、仕上がりの丁寧さとアフターフォローを重視できます。

また、直行直帰の現場体制ではなく、毎朝出勤・毎夕現場から会社へ戻り、報告と点検を行うのも特徴です。何かあれば即日に対応できる体制を整えています。

ご近所で仕事をいただく以上、「しっかり・キッチリ」の誠実な仕事を積み重ねるしかありません。結果、継続するようなクレームは創業以来ゼロを続けています。これは地域に密着した距離で仕事をさせていただいていることが非常に大きいと考えております。

集客は、自社のポスティングスタッフによる地道なポスティング活動とご紹介が中心です。顧客様には毎月のニュースレターで専門店ならではの情報をお届けしています。現在は、以前に施工したお客様から二回目の塗り替えをご相談いただくことも増えています。


どんなことを大切にされていますか?

私たちが一番大切にしているのは、「お客様から笑顔で喜んでいただける仕事を提供する」という初心の思いです。

塗り替えは、完成品を宅配便で届けるような仕事とは違います。塗料の段階の半完成品を私たちの手によって『塗膜』という完成品にするわけです。

「神は細部に宿る」ではありませんが、見えない部分も手を抜かず、当たり前のことを当たり前にやることを信条にしています。

スピードよりも仕上がりの確かさを優先し、作業後のフォローまでを含めて一つの仕事と考えています。お客様にとっては一生に数回の塗り替えですから、「頼んで良かった」と思っていただけるよう、最後まで責任を持つ。

下請けを通さず自分たちの手で完結する体制は、そのための仕組みでもあります。

また、訪問販売によるトラブルや強引な契約の相談を受けることも多く、「話を聞くだけでも安心できた」と言っていただけることもあります。

私たちは“塗ること”だけでなく、“地域の住まいを守る存在”でもありたいと考えています。


どのようなタイミングで外壁塗装を考えるのがベストですか?

一般的には、新築や前回の塗装から10〜15年ほどが目安です。

外壁や屋根は紫外線や雨風に常にさらされており、経年劣化は避けられません。特に色あせやひび割れ、雨染みなどのサインが見え始めたら、早めに専門家へ相談するのが安心です。

ただし、これはあくまで目安です。立地や建物構造、素材、新築時の施工の良し悪しなどによって耐久性は変わります。実際には「今やるべきか、もう少し待てるか」は現場を見なければ判断できません。

ですから、私たちは点検や現場調査は無料で行い、「まだ数年は大丈夫ですよ」とお伝えすることもあります。

焦って決める必要はありません。必要な時期を見極め、無理のない形で進めること。

それが家を長く大切に使うための第一歩だと思いますし、そのお宅・建物によって取り巻く環境は様々でしょうから、「相手の立場になって考える」姿勢を大事にしています。


今後、目指されていることはどんなことですか?

今後は、技術と姿勢の両方を次の世代に継承していくことが目標です。

現場で培った「見えないところほど丁寧に」という価値観を、じっくりと後継者に伝えていきたいと思っています。

同時に、ご近所直販の軸を守りながら、アパートや賃貸物件などオーナー向けの領域にも少しずつ販路を広げていけたらと考えています。

ですが、量を追う拡大ではなく、安心と信頼で選ばれる関係を増やしていく。

半径三キロで育てた“ご近所品質”を、そのまま新しい出会いにも届けていきます。


インタビュー後記

驚いたのは、「半径3キロ」という小さな範囲で、ここまで多くの信頼を築いていることでした。それは効率ではなく、“誠実さの積み重ね”が生んだ結果。さらに意外だったのは、営業も訪問販売もせず、ほぼ紹介とリピートで仕事が続いていること。 「見えないところほど丁寧に」という言葉に、40年の職人としての誇りがにじみます。

派手な宣伝よりも、地道な信頼。塗替え丸福の現場には、技術だけでなく“人のあたたかさ”が息づいていました。

お問い合わせ

塗替え丸福 株式会社

代表者  原田 稔

東京都品川区西中延3-11-2

フリーダイヤル:0120-980-544

TEL:03-6426-4403

HP:品川区・大田区の外壁塗装は塗替え丸福へ|公式

*ご相談の際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。