\コレクション展示 特集「人のすがた」紹介 ③展覧会出品作/

展覧会出品作には、等身大で存在感のある人物像の力作が多くみられます。
実力者同士がしのぎを削り、受賞を争うこともあったでしょう。展覧会に出品された写実的な人物表現では、しばしばモデルを使って人の形を追求する姿勢がみられます。

山口薫(やまぐち・かおる)の滞欧作《緑衣の女》もパリでモデルを雇って描いた作品のうちの1点で、帰国後に国画会展に出品されました。そこには、エコール・ド・パリやフォーヴィスムなど、当時のパリを席巻していたさまざまな美術の潮流からの影響を垣間見ることができます。

第25回太平洋画展で中村彜(なかむら・つね)賞を受賞した清水刀根(しみず・とね)《窓辺裸婦》や第4回一九三〇年協会展で奨励賞を受賞した中村節也(なかむら・せつや)《裸婦と鳥籠》からもまた、大画面で人の姿かたちを研究するさまが見てとれます。

それらの背後には、西洋美術からの影響や衣食住の変化、都市化の波、戦中と戦後といった時代の変化をそれとなく感じることができます。特に彫刻の場合に顕著ですが、戦中の、肉体的な強さを前面に出した男性像から戦後の優美な女性像への作風の変化は、藤野天光や分部順治だけでなく同世代の多くの彫刻家に見られる傾向といえます。

本展は、2階の展示室4・5で7月6日まで展示中です。ぜひご覧ください。

写真:中村節也《裸婦と鳥籠》(左)《椅子に膝つく裸婦》(右)

〇2025年度コレクション展示春期
・4月19日(土)~7月6日(日)
・一般300(240)円、大高生150(120)円
※( )内は20名以上の団体割引料金
※中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料

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27 いいね! ('25/06/09 14:00 時点)